戦争文学
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戦争文学(せんそうぶんがく)とは、戦争を扱った文学。特に近代以降の戦争を題材にするものについて呼ぶ。狭義に第二次世界大戦下の日本で戦争遂行の国策高揚の意図をもって書かれた文学を指すこともある。
戦争における戦闘などの記録としての文学は、戦記文学(せんきぶんがく)、戦史文学(せんしぶんがく)とも呼ばれる。
古代ギリシャにおけるホメロスの『イーリアス』『オデュッセイア』や、中世フランスにおける『ロランの歌』などの武勲詩、日本の『平家物語』から戦国時代に至るまでの数多くのなどの軍記物語など、戦争は文学において叙事詩的に扱われて来た。近代以降にはナポレオン戦争に始まる国民国家が成立する基礎ともみなされ、文学も国家の制度の一つであって「文学も文学者も初めから戦争に巻き込まれている(西川長夫)[1]」というように、文学は人間の感情が戦争と一体化したものとして扱うと同時に、その関係への疑義や切り離すためのものとして機能して来たと言える[2]。また20世紀における悲劇的な経験によって、文学は近代的個人主義にとどまらない新しい人間観を発見し、またそれを表現する方法を探求してきた[3]。