アルキメデス・パリンプセスト
羊皮紙のコデックスのパリンプセスト / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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『アルキメデス・パリンプセスト』は、羊皮紙の写本のパリンプセストである。元々はシュラクサイのアルキメデスやその他の著者の作品のギリシア語写本であった。10世紀のビザンツ(東ローマ)帝国で、テッサロニキのギリシア正教の元大主教レオン・マテマティコス(英語版)(数学者レオン)による数学研究の復興時に作成を依頼されたものである。この写本は1204年のコンスタンティノープル陥落後、第4回十字軍の騎士団に持ち去られたのち、13世紀にパレスチナの修道士により、テキストがキリスト教の宗教的作品で上書きされた[1]。元の文は完全には消えておらず、大部分を見ることができると、1915年にヨハン・ハイベア(英語版)により発表された[2]。この写本はイスタンブルのギリシア正教会の図書館に保存されていたが、ギリシア人虐殺に続く激動の時代において図書館が避難する最中、1922年に行方不明になった。写本は70年以上にわたり隠され、価値を高めるために偽造者によりページの一部に絵が加えられた。これらの捏造された絵の下にあるテキストや以前は読むことができなかった文は、1998年から2008年にかけて行われた紫外線、赤外線、可視光線、レーキングライトおよびX線による画像の科学的・学術的な研究により明らかとなった。全ての画像とメタデータ付きの学術的な校正を経た文字起こし版は、現在Archimedes Digital Palimpsest(下記の外部リンク参照)のウェブサイトで自由に利用できるようになっており、OPenn[3]や他のウェブサイトでもクリエイティブ・コモンズ・ライセンスCC-BYのもと、利用できるように提供されている[4][5]。
このパリンプセストは、現在知られている中で唯一『ストマキオン』および『方法』を写したものであり、ギリシア語の『浮体の原理』の唯一知られる写しも含んでいる[6]。