ジークフリート
ゲルマンの伝説に登場する英雄 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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「ジークフリート」のその他の用法については「ジークフリート (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
ジークフリート(ドイツ語: Siegfried)は、ゲルマン神話に登場する戦士である。古ノルド語ではシグルズ(Sigurðr)、中高ドイツ語ではジーフリト(Sîvrit)という。竜殺しの英雄として知られ、「竜殺し(ドイツ語: Drachentöter)」や「ファーヴニル殺し(古ノルド語: Fáfnisbani)」といった二つ名で呼ばれることもある。メロヴィング朝フランク王国の頃の人物をモデルにしていると考えられており、有力な候補としてシギベルト1世がいる。かつてはトイトブルク森の戦いの勝者であるアルミニウスとの関係が論じられたこともあった。純粋に神話上の人物であるという説もある。ジークフリートの物語が確認できる最古の例は、スウェーデンのルーン石碑やブリテン諸島の石十字に掘られた図画で、11世紀に遡る。
北欧と大陸ゲルマンの伝承のいずれにおいても、ジークフリートは、女丈夫ブリュンヒルトを欺いてブルグント王グンテル(グンナル)と結婚させ、後に妻クリームヒルト(グズルーン)とブリュンヒルトの口論をきっかけに死ぬことになる。竜を屠ってニーベルング族の秘宝を得る下りも双方にみられる。しかし、北欧と大陸ゲルマンとで内容の一致しない部分も少なくない。ジークフリートの登場する文献で特に重要なものは、『ニーベルンゲンの歌』『ヴォルスンガ・サガ』『詩のエッダ』である。ほかにも、中近世スカンディナヴィアバラッドをはじめとして、ドイツやスカンディナヴィアのさまざまな文学作品に登場する。
19〜20世紀においては、ジークフリートはドイツのナショナリズムと強く結び付けられた。この頃の特に有名な翻案として、リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ジークフリート』『神々の黄昏』があり、彼の創造した人物像は、以降のジークフリートのイメージに大きな影響を与えた。
『シズレクのサガ』は、ジークフリートの物語を以下のように締めくくっている。
皆の言うことに、その性は雄風高節にして磊落不羈、他に並ぶものなき古今独歩の大豪傑であったと。その名はドイツの民だけでなく、北の人々の口からも永遠に絶えることはないであろう。[1]