1969年のワールドシリーズ
メジャーリーグベースボールの第66回優勝決定シリーズ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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1969年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第66回ワールドシリーズ(英語: 66th World Series)は、10月11日から16日にかけて計5試合が開催された。その結果、ニューヨーク・メッツ(ナショナルリーグ)がボルチモア・オリオールズ(アメリカンリーグ)を4勝1敗で下し、球団創設8年目で初の優勝を果たした。
1969年のワールドシリーズ | |||||||
当時のアメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソンに贈られた記念品。両球団選手のサイン入りボールやチャンピオンリングなどが含まれている | |||||||
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シリーズ情報 | |||||||
試合日程 | 10月11日–16日 | ||||||
観客動員 | 5試合合計:27万2378人 1試合平均:05万4476人 | ||||||
MVP | ドン・クレンデノン(NYM) | ||||||
ALCS | BAL 3–0 MIN | ||||||
NLCS | NYM 3–0 ATL | ||||||
殿堂表彰者 | ギル・ホッジス(NYM監督[注 1]) ヨギ・ベラ(NYMコーチ[注 2]) ノーラン・ライアン(NYM投手) トム・シーバー(NYM投手) アール・ウィーバー(BAL監督) ジム・パーマー(BAL投手) ブルックス・ロビンソン(BAL内野手) フランク・ロビンソン(BAL外野手) | ||||||
チーム情報 | |||||||
ニューヨーク・メッツ(NYM) | |||||||
シリーズ出場 | 球団創設8年目で初 | ||||||
GM | ジョニー・マーフィー | ||||||
監督 | ギル・ホッジス | ||||||
シーズン成績 | 100勝62敗・勝率.617 NL東地区優勝 | ||||||
分配金 | 選手1人あたり1万8338.18ドル[1] | ||||||
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ボルチモア・オリオールズ(BAL) | |||||||
シリーズ出場 | 3年ぶり3回目 | ||||||
GM | ハリー・ダルトン | ||||||
監督 | アール・ウィーバー | ||||||
シーズン成績 | 109勝53敗・勝率.673 AL東地区優勝 | ||||||
分配金 | 選手1人あたり1万4904.21ドル[1] | ||||||
全米テレビ中継 | |||||||
放送局 | NBC | ||||||
実況 | カート・ガウディ | ||||||
解説 | ビル・オドネル(第1・2戦) リンゼイ・ネルソン(第3~5戦) | ||||||
平均視聴率 | 22.4%(前年比0.4ポイント下降)[2] | ||||||
ワールドシリーズ
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前年までは両リーグとも、総当たりのレギュラーシーズンで最高勝率を記録した球団がそのままリーグ優勝となり、ワールドシリーズへ進出していた。それがこの年から、東・西2地区に分かれてそれぞれのレギュラーシーズン優勝球団を決めたうえで、その地区優勝球団どうしが5戦3勝制のリーグ優勝決定戦で対戦し、そのシリーズを制した球団がワールドシリーズへ進出する方式に改められた。
レギュラーシーズンで100勝以上を挙げた球団どうしがワールドシリーズで対戦するのは、1942年以来27年ぶり6度目[3]。また、1961年以降のエクスパンションによって創設された球団がシリーズに出場するのも優勝するのも、今回が初めてである。メッツは1962年の創設以来7年間で、リーグ最下位の10位が5度、下から2番目の9位が2度と長らく低迷していた。しかしこの年、初のシーズン勝ち越しを東地区優勝で飾ると、新設のナショナルリーグ優勝決定戦ではアトランタ・ブレーブスを3勝0敗で一蹴し、続いてこのワールドシリーズでも全24球団最高勝率のオリオールズを下した。弱小球団の予想外の快進撃を、人々は "アメイジング・メッツ"(Amazin' Mets、「驚異のメッツ」)や "ミラクル・メッツ"(Miracle Mets、「奇跡のメッツ」)と称した[4]。シリーズMVPには、第2戦と第4戦で先制のソロ本塁打を放つなど、4試合で打率.357・3本塁打・4打点・OPS 1.509という成績を残したメッツのドン・クレンデノンが選出された。レギュラーシーズン途中で移籍してきた選手の同賞受賞は、賞創設15年目でクレンデノンが初である[5]。
この年のアメリカ合衆国のプロスポーツにおいて、ニューヨーク州ニューヨークのチームがメリーランド州ボルチモアのチームにポストシーズンで勝利するのは、今シリーズが3度目だった。1月にはアメリカンフットボールのNFL・AFLスーパーボウルでニューヨーク・ジェッツがボルチモア・コルツに勝利し優勝、4月にはバスケットボールのNBAプレイオフ1回戦でニューヨーク・ニックスがボルチモア・ブレッツを下していた[6]。2年後のNBAプレイオフでブレッツがニックスに勝利した際、ブレッツのケビン・ローアリーは「知っておかなきゃいけないのは、ボルチモアはニューヨークに常に敗れてきたということだ。俺らはニックスに勝てず、コルツはジェッツに勝てず、そしてオリオールズはメッツに勝てなかった」と言及している[7]。