放物線の求積
アルキメデスの著書 / ウィキペディア フリーな encyclopedia
『放物線の求積』(ほうぶつせんのきゅうせき、ギリシア語: Τετραγωνισμὸς παραβολῆς)は、アルキメデスによって、紀元前3世紀にアレクサンドリアの知人ドシテオスに宛てて執筆された、幾何学に関する著書である。放物線に関する24の命題を含み、放物領域(放物線と直線で囲まれた領域)の面積が内接する三角形の 4/3 になることの2通りの証明を導いている。
アルキメデスの著作の中ではもっとも著名なものの1つであり、特に取り尽くし法の独創的な利用と、第2章での等比級数によって知られている。アルキメデスは求める面積を、面積比が等比級数を成すような無限個の三角形に分割している[1]。彼はそれから得られた等比級数の総和を計算し、その値が放物領域の面積だと証明している。これは古代ギリシア数学(英語版)における背理法の最も巧みな用法であり、彼の解法は17世紀に積分法の発展によってカヴァリエリの求積公式(英語版)に取って代わられるまで比類なきものとなった[2]。