2023年の台風
2023年に発生した台風のデータ / ウィキペディア フリーな encyclopedia
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2023年の台風(2023ねんのたいふう、太平洋北西部および南シナ海[注 1]で発生した熱帯低気圧)のデータ。データは基本的に日本の気象庁の情報に基づき、気象庁が熱帯低気圧としていない一部のものについては、合同台風警報センター (JTWC) のみに準拠する。
本記事に含まれる熱帯低気圧の中心気圧や風速、発生場所・日時等及びそれらの出典は発表された直後の速報値である可性があります。気象庁は台風消滅後も事後解析を行い、その結果を確定値として公開します。確定値が公開された場合、データを確定値に修正していますが、各節中の出典は速報値のままであるものが殆どとなります。資料として利用される際にはご注意ください。なお、確定値の出典である気象庁HPのリンクは、#各熱帯低気圧の影響の「出典」にまとめて掲載してあります。(2023年3月) |
軌跡の地図 | |
最初の熱帯低気圧発生 | 3月4日 |
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最初の台風発生 | 4月20日 |
最後の台風消滅 | 12月18日 |
最後の熱帯低気圧消滅 | 12月21日 |
最も強かった 台風 |
台風2号 – 900 hPa, 115 kt |
熱帯低気圧の総数 | 29 |
台風の総数 | 17 |
タイフーンの総数 | 10 |
スーパータイフーンの総数 | 4 |
総死亡者数 | 191 |
総被害額 | 185.5 億ドル (2023 USD) |
2021, 2022, 2023, 2024, 2025 |
2023年に発生した台風の総数は、平年の25.1個を大幅に下回る17個であり、1951年の統計開始以降で2010年、1998年に次いで3番目に少ない記録となった。日本での影響については、接近数は平年の11.7個より少ない9個、上陸数は平年の3.0個より少ない1個であった。
2023年の台風の傾向としては、正のインド洋ダイポールモード現象と同時に、2015年~2016年以来の強度となる顕著なエルニーニョが発生した影響で発生海域が平常時よりも南東にずれ、寿命の長い台風が発生しやすかったこと、台風の発生数が少ないことがあげられる[1]。
台風1号は4月20日に発生[2][3][4][5]。台風に関する統計が開始された1951年以降で平均的な台風1号の発生は3月頃であるため、比較的遅めの発生となった。
5月20日に発生した台風2号は、5月としては1971年の台風5号以来となる勢力にまで発達した[6][7]。日本接近時の勢力は強いものではなかったが、熱帯由来の湿った空気が当時日本付近に停滞していた梅雨前線を刺激し、各地で線状降水帯が発生した[8][9][10][11]。
その後、7月までは熱帯低気圧の発生が少ない状態が続いていた。しかし人的被害は大きく、元台風5号の熱帯低気圧は華北地域に大雨をもたらし、100人以上が死亡し[12][13][14][15][16]、家屋等の倒壊が相次いだ[17]。
8月は比較的対流活動が活発であり、熱帯低気圧の発生が相次いだ。なお、同月には2018年の台風17号以来となる越境台風も発生した[18][19][20][21]。
9月以降はインド洋からのモンスーンがフィリピン沖にまで到達せず、モンスーントラフが発生しなかったこと、例年よりも太平洋高気圧が強まったこと、フィリピン沖で高気圧が発達してモンスーンが弱まったことに加え、台風が発生しやすい低緯度地方で強い東風が吹き、北西太平洋は熱帯低気圧、台風が発生しづらい状態となっていた[22][23][24]。そのため、極端に熱帯低気圧の発生数が減少し、9月の発生数が2個、10月の発生数が2個となるなどし、9月以降の発生数5個は1951年(昭和26年)の統計開始以降最も少なくなった[24][25][26]。
しかしその一方で被害は大きく、台風13号は日本のすぐ南で停滞し、長時間雨を降らせた[27][28][29][30][31][32][33]。また、台風14号は台湾南東部の蘭嶼で観測史上1位となる最大瞬間風速95.2mを記録した[34]。加えて、台風15号は10月の台風としては2018年の台風26号以来となる中心気圧900hPaを記録した[35][36][37][注 2]。
また、これらの台風以外で日本に影響を及ぼした台風は、沖縄近海で複雑な動きをした台風6号、紀伊半島に上陸し大雨を降らせ、重傷者を出した台風7号などがある。